延命十句観音経の世界
とても短い延命十句観音経。たった42文字の短いお経。何回かお経をあげていれば、自然と諳(そら)んじてしまうほど自然体のテンポのよいお経でもあります。でもその平易なことばの中にこそ仏智のエキスが凝縮されているきらりと光るお経なのです。





















































































無佛











口語訳

観音様。
私は観音様を信じ観音様にすべてをおまかせします。
私は仏にさせていただく因と縁をいただいております。
仏の教えを信じまた教えをもとめていく人々と
めぐりあえるおかげで、
常・楽・我・浄の観音様の四徳が私の
身にいただけますように。
わたしは、朝な朝な、夕べ夕べに観世音を念じます。
この一念は私の心からではなく、
私の心中に秘められている
仏の心の願いでございます。


観世音菩薩浄楽我浄の四徳
とは?


常徳 : 無常の世の中を生きていくのに無常を大切にしていくとやがては
      不安のなくなる平常心が具わる。

楽徳 : 苦の世の中を生きるには、苦をよく噛みしめていくと苦からいろいろ
      教わり苦が苦痛でなくなる。

我徳 : 自分ひとりの力で生きるのではないさまざまな縁に助けられ支え
      られて生かされ、
      また、他を生かしていくと言う自利他利のはたらき。

常徳 : 苦だ、楽だと分け隔てをしない。
      浄だ不浄だと選り好みをしない平等の智慧と慈悲